詩篇第一巻 33篇
『真の感謝を捧げる』
この詩の作者は、「正しい者たち、主を喜び歌え。賛美は、直ぐな人たちにふさわしい。」と呼びかける。なぜなら、主のことばは正しく、そのみわざのすべては真実だからである。そしてこの地は、正義と公正を愛されるお方の恵みで満ちているからである。
また作者は、正しい者、直ぐな人たちに、ことば一つですべてを成し遂げられるお方を恐れおののけ、と歌う。主は、一人ひとりの心を形造り、その行いのすべてを読み取るお方である。主の目は、御座が据えられた所から、地に住むすべての者に留められる。軍勢や力の大きさなどは救いにならない。主を恐れる者、主を待ち望む者に、主の恵みは注がれる、と歌う。
聖書に登場する人物たちを含め、生まれながらに正しい人は、イエスを除いて、誰もいない。では、ここで作者が呼びかける「正しい者たち」とはどういう人たちのことだろうか。それは、神の御前において正しいとされた人たちのことであろう。例えば旧約からなら、ノアやアブラハム、ロト、ヨブ、ダビデ、アサ、ヘゼキヤ、ヨシア、モーセ、新約からなら、使徒たち初め、義人アベルとバラキヤの子ザカリヤ、マリアの夫ヨセフ、議員のヨセフ、百人隊長コルネリウス、バプテスマのヨハネ、エルサレムにいたシメオン、祭司ザカリヤとその妻エリザベツなどが「直ぐな人たち」であった人たちであろう。では、「直ぐな人たち」とはどういう性格を持った人を指すのだろうか。
聖書は「直ぐな人たち」について、主の前に全き者(詩18:23)、誠実で、神を恐れて悪から遠ざかる者(ヨブ1:1、8)、恵み深き者(詩18:25)、行いの正しい人(詩37:14)、平和の人(詩37:37)、自分の道をわきまえる者(箴21:29)、特別に愛されている者(ダニ10:11)、敬虔で善良な者(ミカ7:2、4)、信仰によって生きる人(ハバ2:4)と語っている。そして、このような直ぐな人が神を賛美するにふさわしいと、詩篇33編は歌っている。
ここで覚えたいのは、聖書に登場する正しく、直ぐな人たちというのは、神の御前においてそうである、ということである。決して、人による評価や、ましてや自己評価などではない。また、自らの信仰を、聖書に登場する人物と照らし合わせて、卑下してはいけない。なぜなら、救いは信仰により、恵みにより与えられるからである。
「この恵みのゆえに、あなたがたは信仰によって救われたのです。それはあなたがたから出たことではなく、神の賜物です。行いによるのではありません。だれも誇ることのないためです。実に、私たちは神の作品であって、良い行いをするためにキリスト・イエスにあって造られたのです。神は、私たちが良い行いに歩むように、その良い行いをあらかじめ備えてくださいました。」(エペソ2:8−10)
祈り:
主よ、あなたが与えてくださっているすべての恵みに感謝します。あなたに愛されていることをありがとうございます。あなたを賛美するにふさわしい者とされたことを、心から感謝します。どうか、あなたへの賛美が、あなたをまだ知らない方々の心に届きますように。主イエス・キリストの御名によって祈ります。アーメン。
使用した資料:
Examples of righteous and holy people in the bible
Open Bible
Bible.Org
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