ヤベツはイスラエルの神に呼び求めて言った。「私を大いに祝福し、私の地境を広げてくださいますように。御手が私とともにあってわざわいから遠ざけ、私が痛みを覚えることのないようにしてください。」神は彼の願ったことをかなえられた。―4章10節―
まだまだ冒頭に出て来る長い系図は9章まで続きます。人の名前を覚えるのが苦手な自分にとってこの歴代誌の系図にでてくる名前は避けがたいところでもあります。
だがこの4章の10節は、私にとって忘れられない箇所であります。生前、体の弱かった娘と二人で毎晩10節にある有名な「ヤベツの祈り」を必死になって声を出し合って読んだところであります。彼女は英語の聖書で、私は日本語の聖書を開けて読み、祈りました。母娘で祈り、神の臨在のなかで平安な気持ちに触れさせて頂けたことは私たちにとって大きな恵みでした。
ヤベツというのは「痛み、苦しみ、悲しみ」と言う意味です。彼を産んだ母は苦難の中にいた時に彼を出産したと9節で述べられています。この母親の気持ちが理解しがたいところであります。自分が苦難のなかで出産したわが子にこのような「悲しみ」という名をつけるだろうか、生まれてくる子は自分のようになってほしくならにようにと、願いをこめて幸せな名前をつけていくことではないでしょうか。
だからこそ、ヤベツは大胆に自分のこの「悲しみ」の名前を背負っていくうえで、「私を大いに祝福し」と大胆に祈ったのではないかと示されました。私たちは、他人のことをよく祝福してくださいと祈ることができますが、自分のことになると果たして、私を大いに祝福してくださいと祈れるだろうかと問われるところです。
ちなみに、この祈りをテーマとした書籍「ヤベツの祈り」の作者は、ブルース・ウイルキンソンで、日本語に訳された方が、以前ホノルル教会に来られたこともある中村佐知さんです。この本は、アメリカで爆発的な売り上げを記録し、日本語版も三万部を突破したと言われているそうです。
愛する天の父なる神さま。私たちも苦難の中にいる時にヤベツのように、大胆に「私を大いに祝福してください」と祈ることができますように、そして、あなたに用いられるための器としてください。感謝して主イエス・キリストの御名によってお祈りします。アーメン。
Comments